錆びない弦、コーティング弦
アコースティックギターの弦は消耗品の中でも、かなり消耗頻度が激しいといえます。新品の弦をはっても音がキラキラとして綺麗だなと感じるのはせいぜい1週間くらいかもしれません。それ以降はゆるやかに劣化していき、最終的にはサビて変色するようになります。そうなると新品の弦と交換というわけですが、最近は弦の値段が少し値上がりしたいみたいです。苦しい家計の中、弦くらいは常に綺麗にしておきたいと思うところ。そういうわけで今回は弦の劣化の少ないコーティング弦というものを紹介したいと思います。
コーティング弦って何?
コーティング弦とは通常の弦と違い、錆が生じないようあらかじめコーティング(薄い膜でおおう処理)された弦のことです。通常の弦に比べて丈夫で長持ちするというのが特徴ですが、肝心の音についてはコーティングされていないノーマル弦の方がよりアコギらしい音だとされています。
弦を作っている製造会社ならどこもコーティング弦を生産していますが、とりわけ専門的に作っている会社がエリクサー(Elixir)です。ダダリオやGHSもコーティング弦を製造していますが、どちらかといったらノーマルタイプの弦の方が主力商品のようです。
触り心地について
コーティング弦はその名前のとおり、薄い膜がおおわれてる弦なので通常の弦と違い触り心地に少しクセがあります。初めてコーティング弦を使った人からしてみるとヌメッとした印象を受けるでしょう。会社によっては触った時のヌメリ感は違いますが、ノーマルタイプの弦を使いなれていた人にとっては違和感を感じることは確実です。ちなみにコーティングに使われている材質というのは企業秘密のようでどこの会社に電話しても教えてもらえませんでした。
コーティング弦の弱点
コーティング弦のメリットは単純に「劣化に強く、錆が生じない」ことです。音については各会社ともにコーティングを薄くするなどしてノーマルタイプの弦に近づけようと工夫しているそうです。つまり音についてはノーマルタイプの弦>コーティング弦という図式があるのはしょうがありません。直感的に弱点と感じたの以下の2点です。
- 値段が高い
- 音質面で少し弱い
音質面で弱いというのは、ストロークをした時のジャキジャキ感が少し足りないとかその程度のことです。音量がカットされるとかそういうわけではありません。また値段についても頻繁に弦を交換することを考えたら少々値段が高くても半年くらい持たせられる弦の方が安上がりという考え方も出来ます。
つまりマイナス要因についてはそれほど決定的なものではないと思います。
コーティング弦の交換時期について
最後にコーティング弦の交換時期についての解説です。コーティング弦は錆びにくいというだけでけっして錆びないわけではありません。また1~2弦のプレーン弦はコーティングされておらず防錆処理だけでなので巻弦に比べると劣化が早いです。あとはコーティング材が剥がれてきて弾きにくくなってくることが考えられます。
そういうわけでコーティング弦がいくら丈夫だからといっても毎日弾くと考えたら3ヶ月~半年くらいが限度になります。
参考動画
参考商品:
プロミュージシャンなんかはエリクサーの弦を使っている人が多いようです。なんでもコーティング弦じゃないと弦の鮮度が1日持たないとかで、費用対効果で選択しているようです。
錆びた弦はフレットの磨耗を早めるので交換しよう