アコースティックギターのピックアップマイクとは?
ピックアップマイクはその名前のとおりマイクのことです。アコースティックギターの場合、本来マイクを取り付けれるよう設計されていないのですが、外部からマイクを取り付けることでアコギを「エレアコ」にしてしまおうという目的で使用されるマイクになります。ピックアップマイクにはいくつか種類があります。ここではその代表的なピックアップマイクを紹介したいと思います。
ピエゾ・インブリッジタイプ
ピエゾ・インブリッジタイプのピックアップマイクは、ブリッジのサドル下に装着するタイプのピックアップマイクとなります。
サドル下に装着するので、コードを通すためにサドル下の木に穴を空ける加工作業が必要となります。また弦高も少し上がってしまうというデメリットもあるので、装着するにはプロの業者に依頼するのが一般的です。
サウンドの傾向はとにかく音量がしっかり得られます。またハウリングにも強いのでコンサート向きのピックアップといえます。アコギを本格的なエレアコとして活用したい人にオススメ出来るピックアップです。
ピエゾ・コンタクトタイプ
ピエゾ・コンタクトタイプはインブリッジタイプと音を拾う原理は一緒ですが、コンタクトタイプの場合はギターのボディトップにそのまま装着してしまうというシンプルな発想の元考案されたピックアップマイクとなります。
そのまま取り付けるだけなので簡単ですし、マイクの位置を変えることで音色も変えることが出来ます。サウンドについては木の振動をよく拾うので自然な音色が特徴です。
欠点としてはハウリングに弱いという性質があるので、大規模な会場でやるには不向きなマイクとされています。
マグネティックタイプ
マグネティックタイプのピックアップマイクは、エレキギターに使われているピックアップと同じ原理のマイクです。永久磁石に電線を巻きつけたコイルが、物理的な弦振動を電気信号に変換して音として出力される仕組みです。
つまり生音(ギターの箱鳴り)を拾うタイプのピックアップではなく、弦の振動を拾うタイプのピックアップマイクとなります。
特徴はハウリングに強く、音色の加工がしやすいという点でしょう。取り付けも比較的簡単です。デメリットについては生鳴り感が弱くなり、アコースティックギターというよりはエレキギターっぽいサウンドになってしまう点でしょう。生音を重視する人にとってはピエゾタイプやコンデンサーマイクの方が好まれる傾向にあります。
コンデンサーマイク
コンデンサーマイクは「コンデンサー」という電気回路に使われる部品を使用したマイクです。
詳しい説明は省きますが、非常によく音を拾うマイクを使ったピックアップマイクという認識で良いでしょう。アコースティックギターに装着する場合はサウンドホール内のブレイシングに取り付ける場合が一般的です。
サウンドに空気感が欲しい、自然な音質を追求したいという場合はコンデンサーマイクを試してみることをオススメします。装着場所も選べるのでインブリッジタイプよりも自由度の高いピックアップマイクとなります。欠点はハウリングに弱かったり、マイク自体が壊れやすいという性質もあるので扱う時は注意が必要です。
ピックアップの取り付け加工について
ギターにピックアップを取り付ける時、一番の難問となるのは本体への加工作業となります。まあ加工とはいってもエンドピンジャックの穴を広げるだけなんですが、高価なギターの場合はどうしても躊躇してしまうものです。
加工自体は日曜工具を使った手作業でも出来ないことはないですがさすがに勇気がいります。そういうわけで僕の場合はエンドピンジャック加工に関しては業者に依頼することにしています。インブリッジピエゾの場合は少し割高になりますが、1万~1万5千円程度が相場となっています。手持ちのアコギをエレアコ化させるか、いっそのこと素直に最初からピックアップ付きのを買うかは悩むところではあります。