海外のアコースティックギターメーカーの紹介
ギブソンやマーチン以外の海外アコースティックギターメーカーを紹介しています。
Taylor(テイラー)
テイラーは1974年にカリフォルニアで創業されました。
比較的新しいメーカーといえますが本国アメリカではマーティン、ギブソンと並んで人気となっているメーカーです。
テイラーのギターはメンテナンスのしやすさ、耐久性を追及した現場ミュージシャンの立場に立った設計思想のもと作られています。ボルトオンネック、NTネックシステムなどがその代表です。
ピックアップの搭載したエレクトリックアコースティックを同型番の商品ラインナップに加えているため、準エレアコメーカー的な印象を持つ人が多いが「生鳴り」についても妥協なく追及しているため中級者、上級者ともに愛用者が多いメーカーである。
Guild(ギルド)
ギルドの創業は1952年にさかのぼり、マーティン、ギブソンと並んで老舗と考えられているギターメーカーです。
ギルドのギターはFシリーズとDシリーズに大別することができます。ともに頭文字から類推できるようにマーティン社のドレッドノート、OOOモデルを彷彿させる形状です。マーティンギターとの違いをあげるとするならギルドのギターはとにかく「重い」ということです。
頑丈に作られているといえば聞こえはよいですが、とにかく鳴らし込むのに時間がかかるとして弾きにくいギターという見方の人も多いようです。しかし一度鳴るようになれば非常に魅力のあるサウンドでギルドのギターこそベストと評価する人も数多くいます。
Collings(コリングス)
コリングスはビンテージマーティン研究家ビルコリングスによって1988年に創業されたブランドです。
そのためラインナップされているギターの多くは戦前マーティンモデルを参考に作られていいます。
つまりマーティンのレプリカメーカーというわけですが、コリングス独自のこだわりも随所にあります。ボルトオンネックの採用がその代表といえますが、とにかくメンテナンスや調整を容易になるよう工夫されている点が注目です。
基本的にハイエンドユーザー向けに製造されているため近場の楽器屋に置いていることは少ないですが、ギター愛好家なら一度は手にしてみたいギターです。
Santacruz(サンタクルーズ)
サンタクルーズは1976年にリチャードフーヴァーらによって創業された新興メーカーです。
基本的には少数生産主義でハイエンドユーザー向けに製造されています。創業当初はマーティンのレプリカから始まりましたが、現在は自社独自のモデルも開発するなど進化し続けています。
Larrivee(ラリビー)
ラリビーは1960年代にカナダで創業されたメーカーです。
1970年代に某有名ミュージシャンによって発掘され一躍有名ブランドとなりました。
カナダという木材が豊潤にある立地条件が幸いし、良質な材を惜しげなく使えるという地の利を持ったギターメーカーといえます。そのため手工製ギターメーカーとしてはわりと手に入りやすい価格帯で販売されているため国内でも愛用者は多いギターメーカーです。
Greven(グレーベン)
グレーベンはジョングレーベンによって1975年に創業されたギターブランドです。ギターメーカーというよりは個人ギター製作家(ルシアー)としての方が知名度が高いです。
カスタムオーダーメイドで少数生産体制をとっているので一般の楽器屋で見かけることは少ないです。繊細かつ風格を持ったギターなのでアコギ愛好者なら一度は手にしてみたいギターの一つです。日本では押尾コータロー、岡崎倫典、中川イサトなどがグレーベン愛用者として有名です。
Epiphone(エピフォン)
エピフォンはトルコ系ギリシャ人アナスタシオス・スタトポウロがニューヨークに創業したメーカーです。
歴史は意外にも古く1928年にさかのぼり、創業当初はバンジョーを販売していましたが、1957年にギブソン社によって買収され傘下に加わることになります。
エピフォン名義で有名なアコギといえばテキサン(Texan)がその代表となります。ラウンドショルダーボディの形状はJ-45と同じだがスケールが若干長いのが特徴。ビートルズの「イエスタディ」がテキサンを使用されていることで有名です。近年では生産工場を中国に移すなど当時あったエピフォンとは違う形で存続を続けています。
Ayers(エアーズ)
エアーズはオーストラリアのルシアーであるジェラード・ジレット氏のデザイン設計をもとに作られた新興メーカーのことです。
創業は2001年。名前はオーストラリアのエアーズロックという巨大な岩から由来しています。
製造拠点をベトナムにすることで半手工製ギターながらも15万円前後という低価格におさえて販売できるようになりました。この価格なら高価なギターは無理という人でもなんとか手に入れれる範囲だと思います。
低価格ではありながらも勤勉かつ手先が器用なベトナム人を起用した、木材の選定に高い基準を設けるなどギターとしてのクオリティ改善を追求しているため、ギター愛好者からも一定の支持を得ているダークホース的なギターメーカーです。
Eastman(イーストマン)
イーストマンは1992年に創業したアメリカのブランドです。
元々バイオリンやチェロといった弦楽器を製造していたメーカーだったので、弦楽器としてのノウハウについては十分熟知していたようです。
主要生産工場は中国となるが、高品質かつ低価格で販売できるようになったという強みもあります。手工品質でアディロンダックスプルースを用いたギターが10万円前後とまさに破格。高級機種を買うのに躊躇するギター愛好家にとってはかなり嬉しいメーカーといえます。