アコースティックギターメーカー:マーティンについて
アコースティックギターの頂点に君臨するブランド、マーティン(Martin)のギターについて解説しています。
マーティン(Martin)の歴史
- 1796年
- ドイツにてクリスチャン・フリードリヒ・マーティン氏が誕生する。
- 1833年
- マーティン氏はもともとは家具職人であったが、楽器作りに専念するためアメリカへ移住することに。ニューヨークに移住した同年、マンハッタン南西部に楽器店を開業。これが実質的なマーティン社の始まりとなる。
- 1839年
- 楽器作りを本格化するため、現在の主要工場であるペンシルバニア州のナザレスに移住。
- 1873年
- C・F・マーティン氏が他界。息子が後を継ぐもののわずか15年後に63歳の若さで亡くなる。その後、息子フランク・ヘンリーに受け継がれ現在のマーティン社の礎を築かれることになる。シリアルナンバー制の導入、ドレッドノートの開発、14フレットジョイントモデルの実用化などはヘンリーによって成し遂げられた偉業である。
- 現在
- 初代マーティン氏から数えて七代目にあたるC・F・マーティン氏がCEO(最高経営責任者)を務めている。
マーティンの代表モデル D-18
マーティン社のギターの中でもD-28と並んでスタンダードモデルとして君臨しているのがこのD-18となります。
1931年に当時としては一回りサイズの大きいボディサイズが製品として加えられることになりました。名前の由来はイギリスの戦艦ドレッドノート。
D-28のサイドバック(ボディの横、裏)の材がローズウッドなのにたいして、D-18はマホガニーを採用しています。
マホガニーは明るくカラッとしたサウンドが特徴で、なかでもマーティン社のD-18は「鈴鳴りサウンド」と表現されることが多いです。この鈴鳴りサウンドこそがもっともマーティンらしい音だとしてD-18を愛用している人も数多くいます。
マーティンの代表モデル D-28
D-28はD-18と同様1931年に発売です。
発売当初は12フレットジョイントモデルでしたが、3年後の1934年に14フレットジョイントモデルが作られて以来基本設計に変わりはありません。
表板が柾目のスプルース、側板裏板にローズウッドが採用されています。
深遠深い豪華な響きが特徴で、ストローク中心からブルーグラスに至るまであらゆるジャンルを網羅出来るサウンドに仕上がっています。1969年以前はハカランダが使われていたため、状態によっては高値で取引されておりビンテージギターとしての評価も高いようです。
マーティンの代表モデル D-45
D-28の上位モデルとして扱われているのがこのD-45です。
縁取りにアバロン貝を用いた華麗な装飾、インレイ、より厳しく選定された木材の使用。D-28に比べてより手間暇をかけて作られたギターであることが伺えます。
サウンドの傾向はあくまでもD-28のそれと同系統のものですが、選び抜かれた材質の違いであろうか、より深みある豪華なサウンドに仕上がったギターです。
マーティンの代表モデル OM/OOOモデル
ドレッドノートに比べて小ぶりなサイズなのが、OOO(トリプルオー)とOMモデルとなります。
OOOもOMもボディサイズは同じですが、OMモデルのほうがネックの接合位置が14フレットになるためロングスケールとなります。
共にマホガニーモデル、ローズウッドモデルが発売されており、とりわけフィンガーピッカーに愛用されています。
サウンド面での違いはそれほど大きくはありませんが、OMモデルはフィンガー、ストローク両方使えるという認識の人が多いようです。ちなみにエリッククラプトンはOOOモデルを愛用していることで有名です。