ギターのコンディションを確認してみよう | 初心者から始めるアコギ塾

ギターのコンディション(状態)の確認方法

 

ギターの状態を確認しよう

 

アコースティックギターのボディはほとんどが木で出来ています。そのため湿度や気候によっては本体に影響を及ぼすことが考えられます。例えば長年にわたって倉庫に放置していたギターの場合、とくに何もしていなかったとしても、弦高が上がっていたり、トップ板が膨らんだりしているケースがあります。今一度自分のギターがどんな状態にあるのか確認してみましょう。

 

ギターの弦高をチェックしてみよう

 

12フレット上の弦高をみる

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弦高とはその名のとおり、「張られている弦の高さ」のことをいいます。この弦高が低いと一般的に弾きやすく、高いと弾きにくいギターとなります。今回はオーソドックスな弦高の確認方法を紹介します。それは6弦12フレットの弦高を見る方法です。

 

用意するのものは『精密定規』があればベストです。0.55mm単位の精密定規があるといいです。持っていない場合はお金(硬貨)でも代用できるので試してください。硬貨で代用する場合は1円玉(1.5mm)10円玉(1.3mm)100円玉(1.7mm)と厚みが決まっているので、硬貨を張りあわせることでおおよその高さを知ることが可能です。

 

2.5mm~3mmくらいが標準

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弦高の確認はチューニングされた状態で高さを図ります。12フレット(金属頂点から)と弦との間の高さを定規で調べてみましょう。ここの高さが2.5mmから3mmであればいわゆる適正弦高といえます。3mmを大きく超える場合や、2.5mm以下の場合は低すぎることになります。その場合、ネックの反りやトップの膨らみ、ネックの元起きといった症状が疑われます。

 

ネックの反りをチェックしてみよう

 

1フレットと最終フレットを押さえ間の隙間みる

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ネックの反りについて解説します。ネックは長い板を張り合わせて出来ていますが、このネックも湿度や環境次第では反り(歪み)が生じてきます。反りの種類には基本的に二通りあり「順反り」と「逆反り」があります。他にも「ネジレ」というのもありますが今回は説明を省きます。順反りはネックがおじぎした状態、逆反りはネックがのけぞった状態に曲がってしまっていることをいいます。通常のギターは弦が張られた状態でやや順反りしてるくらいがベストだとされてます。

 

では反りのチェック方法を説明します。まず6弦1フレットを押弦しながら、最終フレットを押弦します。次に中間フレット(9フレット辺り)の隙間を見てみましょう。ここの隙間が大きいほど順反りが大きいということになります。はんたいにぴったりくっついて隙間がまったくない場合は逆反りとなります。0.5mm~1mmくらいの隙間であれば軽度の順反りと判断していいでしょう。

 

反りの修正方法

 

アコギのコンディション、ネックの反り

 

■反りがあった場合はトラスロッドで調整する
ネックに反りがあった場合は、トラスロッドで調整をして修正する必要があります。トラスロッドの調整は初心者の人には難しいので状況によっては店の人にやってもらうことをオススメします。

 

それではやり方の解説です。まず最初に弦を緩めます(弦は外さなくても可)。次にサウンドホール穴にあるトラスロッドに六角レンチ(ギター購入時に付属している)を差し込みます。順反りしてる場合は時計回し、逆反りしてる場合は反時計回しにロッドを回します。

 

ロッドの回す範囲ですが時計換算にして最大10~15分くらいにとどめておきましょう。クルクルと一周以上回すとかは絶対しないでください。少し回したら弦を元どおりチューニングして再び弦高を確認します。ここで弦高があまり変化していないように見えても数日経過して変化するケースもあるので様子見が大切です。

 

※反りがないのに弦高が高い場合は?
ネックが反っていないのに弦高が高いという場合は『ネックの元起き』か『トップの膨らみ』がある可能性が高いです。どちらの症状も素人では調整が難しいです。どうしても弦高を下げたい場合は応急処置としてサドルを削る必要があります。

 

ネックの元起きをチェックしてみよう

 

ネックに定規をそえてみる

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最初にネックの元起きとはどういったものかを説明します。ネックの元起きはハイフレット側のネックの根元が起き上がってしまってる現象をいいます。「ハイが上がっている」と表現されたりします。確認の方法はギターのボディとネックに沿うように長めの定規を水平にあてがいます。指板と定規が平行であれば元起きはないと判断できます。

 

※ネックが元起きしていた場合は?
古いギターや弦を張りっ放しで放置していた場合は元起きしているケースがよくあります。元起きしていたからといって普段の使用にはさほど差し支えはないのですが、高いフレットの音が出しづらくなります。この場合サドルを削って調節するか、ブリッジそのものを削って調節するかになります。サドルを削る調節は素人でも出来ますが、ブリッジを削るとなると専門のリペア業者に依頼する必要があります。ネックアイロンというプレス方式の方法で元起きはある程度直せるようですが一時的なモノだという話も聞きます。いずれにしてもネックの元起きは素人では治せないので元起きするのを防ぐよう管理しておくのが大切です。

 

ギターのボディの膨らみをチェックしてみよう

 

定規をボディにおいてみる

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ボディの膨らみとは、トップの板が膨張してしまっている状態のことをいいます。ボディが膨らんでいる場合も弦高が高くなってしまう要因の一つです。確認方法はギターのボディに長めの定規を置きます。膨らみがあれば定規とボディの間に隙間ができます。フラットな状態なら膨らみはないと判断できます。

 

※ボディが膨らんでいた場合
ボディの膨らみは古いギターによくあります。またトップ板の薄いギターほど膨らみやすいともされています。演奏に支障のない範囲内であれば修理に出す必要はないですが、弦高が高くなりすぎた場合はサドルを削って調整する、もしくは専門のリペア業者に依頼する必要があります。ギターのボディが膨らむ原因は湿度が関係していて、短期間で膨らみが発生した場合は乾燥した部屋に数日置くことでボディの膨らみが自然と治っているケースもあります。「あれ少し膨らんだかも?」と気になる場合は、エアコンの除湿機能を使って部屋を乾燥させて様子をみてみましょう。

 

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