アコースティックギターの各部パーツと役割を知っておこう
アコースティックギターのパーツについて
アコースティックギターは様々な部品(パーツ)で構成されています。それぞれの名前、役割をおぼえておくことはメンテナンスするうえで必要不可欠といえます。
ヘッド部分
ペグ
ペグとは弦を巻くための「糸巻き」の役割をしている金属製のパーツです。左にネジを巻くと弦がしまっていき、右に巻くと弦が緩みます。このペグは金属ですが経年で劣化するとサビて動きが悪くなります。動きが悪くなったペグはチューニングがうまくいかないので状況次第では交換やメンテナンスが必要となります。ギターを弾いた後はペグを拭いておくなどしましょう(サビ防止)。
ネック部分
ナット
ナットは張られた弦をペグ穴に導くための溝を施した形成パーツです。ナットの素材についてはプラスチックが使われていることが多いですが、ギターのグレードがあがると牛骨、Tusq(人口象牙)といった素材が使われます。ナットの素材によっては音質が変化すると言われていますが、明確な差が出るとまではいかないようです。ローフレットの弦高が高くて押さえにくい場合はナットの溝を削ることで調整します。図-②参照
指板とフレット
指板とは別名『フィンガーボード』といいます。鉄弦がたえず当たる部分ですので硬い木で出来ている必要があり、ローズウッドやエボニーといった木がよく使用されています。指板の上に等間隔で並んだ金属のパーツを『フレット』といいます。フレットは音階をわける敷居の役割を持っていて、使い込まれたギターはフレットが必ずへこみます。フレットのへこみが酷い場合は調整が必要で、リペア業者に頼んで「フレットの擦り直し」や「フレットの交換」をしてもらう必要があります。図-②参照
ボディ部分
サウンドホールとピックガード
サウンドホールは弾いた弦の音がホール内で反響して外にでてくる通気口の役割をもっています。またネックの反りを調整する時に使うトラスロッドもこのサウンドホール内部に設置されていることが多いです。サウンドホールの脇にあるプラスチックの板は『ピックガード』といいます。ピックガードはその名前のとおり、ピックの勢いでボディが傷つかないようガードする役割を持っています。ピックガードは基本的にアコースティックギターについていますがないが、あえて取りつけてないギターもあります。その場合あとから市販のピックガードを取り付けることも可能です。 図-③参照
表板(トップ板)
表板はギターの表面を構成している木製の板です。別名トップ板ともいわれており、この表板の木の質でそのギターが「よく鳴るかどうか」が決定されるほど重要な部分といえます。縦方向に木目が詰まっているほど良い音が出るという説もあります。表板が複数の板で構成されているものを合板、一枚板で構成されているものが単板となります。合板のギターよりも単板のギターの方が高級機種とされています。図-③参照
サドルとブリッジピン
サドルはナットと同様に弦の通り道として形成されたパーツです。サドルの素材は通常はプラスチックですが、高価なギターの場合は牛骨、Tusq(人口象牙)が使われます。このサドルも交換するで音質が変化する部分です。また弦高を下げたいという場合はこの部分を加工する必要があります。ブリッジピンは弦をブリッジに固定するための形成パーツです。これもサドルと同様交換することが可能です。
裏板(バック板)と側板(サイド板)
表板(トップ板)が「ギターの鳴り」を決定しているすれば、裏板は「ギターの鳴りの質」を決めている場所といってもいいでしょう。裏板が硬い木だと音は硬質な音になりますし、柔らかい木だと丸みを持った音になります。側板は裏板に比べて鳴りにはさほど影響はしないと言われています。表板、裏板、側板の3つ全てが単板で出来ているギターは総単板(オール単板)のギターとなります。総単板は高価な機種に適用されたスペックとなります。英語表記でSolidと表示されていることもあります。このSolidの表記がない場合は合板であると判断していいでしょう。