アコースティックギターの弦高を上げてみる
アコースティックギターの弦高とは?
弦高とは弦とフレットとの間の高さのことをいいますが、この弦高というのは一般的に低いほうが弾きやすいとされています。というのも弦高が高いと単純に指板を押さえる力がより必要になってしまうからです。そういうわけでメーカーもギターを出荷する際は、おおよそ3mm以下になるよう設定しています。では低ければ低いほうが弾きやすくて良いのでは?という考えになってしまいがちですが、弦高というのは低すぎるというのもいくつか問題が生じてきます。
弦高を低くするデメリット
・弦が押さえやすくなる
・音量が控えめになる
弦高を低くするデメリット
・音量が下がる
・弦とフレットが干渉して音がビビる
弦高が低い状態というのは、目立ったビビリは出ていなくても、どこかで弦とフレットとが干渉していることが考えられます。この微細な干渉がサスティーンの生成を阻害するわけです。結果、音量は下がり明瞭なサウンドを得られなくなります。プレイアビリティを追求するのであれば弦高は低いほうが良いでしょうが、アコースティックギター本来のサウンドを追求したいのであればある程度の弦高は必要になってきます。
ギターの弦高を高くする方法
1、トラスロッドで順反り気味に調整する
ロッドでの調整というのが一番手っ取り早く弦高を高くする方法の一つといえます。ただし、目方にして0.2mmくらいが限度でしょう。それ以上高くしたいという場合は他の方法が必要になってきます。
2、サドルを交換する
少し手間のかかりますが、サドルを新品に交換するというのも弦高を上げる一つの方法です。準備するもとして、新品のサドル以外に紙やすりや平らな板が必要になったりします。交換手順についてはコチラのページへ。
3、プラスチックのシートを加工してサドル下に挟む
プラスチックのシートというのは使用済みのテレフォンカードでも代用できますが、ホームセンターで数百円程度で売られているのでそれを使ってみるのをおススメします。必要な道具はものさしとカッターのみ。加工からギターに取り付けまで15分程度と短時間で済ませられます。
プラスチックシートを挟んでみよう
プラスチックシートを横幅2mm程度を目安に細長く切り取ります。写真に使っているシートはホームセンターコーナンで買ってきた厚み1mmの低発砲塩ビ板です。
画像のようにサドル下に挟んでみました。シートの厚みが1mmなのでこれを挟むことで0.5mm弦高がアップする見込みとなります。シートを挟む前の弦高が12フレット上3mm程度だったので合計3.5mmとなりました。少し高いかな?と思うかもしれませんが、カポタストを多用する弾き語りスタイルではこのくらいでも特に問題は感じません。
適正弦高値の考え方は人それぞれかもしれませんが、個人的には低いことが正義のような昨今の風潮には少し疑問に感じています。というのも安い合板のギターでも弦高が高ければある程度鳴ってくれてるからです。弦高が高いと弦を押さえにくくなるデメリットはありますが、サウンド面ではあきらかに遠鳴りしてくれるようになります。そういうわけで手持ちのギターのいくつかは弦高をかなり高めに設定しています。
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